Aca Seca Trio

ACA SECA TRIO(2003)

プエンテ・セレステ、カルロス・アギーレ・グルーポとならび、コンテンポラリーフォルクローレを聞き進めてゆくと、避けては通れないのがこのアカ・セカ・トリオ。もう多くの方々が語り尽くしているでしょうから、上記にグループを紹介したときと同様、なるべくシンプルにしたいと思います。

 メンバーは

Juan Quintero: voz y guitarra

Andrés Beeuwsaert: piano

Mariano Cantero: percusión

 このアルバムは2003年発売ですが、僕が購入したのは2008年再発版。ACA SECA TRIOの発足については知りませんが、知りうる限りこれが1stアルバムのようです。このアルバムが再発されなければ入手できなかったかもしれない訳で、これは大変なことです。とにかくJuan Quinteroの1曲目からの強烈なリズム、個性的なハーモニー、浮遊するメロディー、すべてに惹き付けられました。対照的なプリミティブというのか土着的というのか伝承音楽的な極々シンプルな曲を3ボーカル(3人とも歌う)+パーカッションだけでやったり、Juan Falúの曲を素晴らしく生き生きと演奏したり、と変幻自在、抜群の安定感と色彩感に魅了されます。3人の個性のしっかり発揮されていて、それでいてバランスが完璧。それにしても、Juan Quinteroは魅力的な曲を書く上、歌もギターも恐ろしく上手い。脱帽するしか無い。

AVENIDO(2007年日本版)

アカ・セカ・トリオの2ndアルバム。正式には日本ではこれが最初に発売されたらしい。

メンバーは1stと同じ。

Juan Quintero: voz y guitarra

Andrés Beeuwsaert: voz y piano

Mariano Cantero: voz y percusión

1stと同様、2ndも1曲目の存在感が素晴らしい。「Carcará」はJorge Fandermoleの疾走感溢れる曲です。コーラスが高揚感を押し上げる。ドラムのハイハットが緊張感を持続する。2.「Pasarero」はカルロス・アギーレの美しい曲。ゲストのPedro Aznarが素晴らしいベースソロを添えています。3.「Maricón」ファン・キンテーロの曲。フォルローレらしいリズムだが複雑すぎて理解できないです。こんな曲を力の抜けた弾き語りでサラッとやってしまうのが心憎い。ラモン・アジャラの4.「Panambí Jovhé」とベエウサエルトの9.「La Niña」は美しいアカペラコーラスの曲。1stのときよりコーラス上手くなっている(失礼!)。7.「Clavelito Blanco」と10.「Huayno Del Diablo」は、ウァイノ(ワイノと書かれることも多い)のリズムが印象的な曲。フォルクローレの様式を用いながらもジャズやフュージョン、プログレのセンスを上手く取り入れてオリジナルなサウンドに仕上げています。11.「Monte Maíz」はHugo Fattorusoの曲、メインボーカルはファンではなくて、マリアーノ。切々と歌い上げ、バックのコーラスがワーッと広がる。地味だが素晴らしいアンサンブルです。ベエウサエルトの13.「Preludio」は彼の個性がキラリと光る小品、続く14.のまさに前奏曲となっています。14.「La Música Y La Palabra」はカルロス・アギーレの作。チャカレラのリズムに乗ってお洒落にキメてくれます。15.「Ultimas Palabras De Aliento」はファンの曲。とても美しい叙情的な曲だが、なにげに5/4拍子。ひとひねりあります。

VENTANAS(2009年)

このジャケットは2011年再発版のものです。アカ・セカ・トリオの3rdアルバム。1st、2ndとアンサンブルを磨いて来て、3rdで更に磨き上げたアンサンブルが聴けます。その分、全体には次第に内向的、内省的になって来ています。メンバーは、Juan Quintero、Andrés Beeuwsaert、Mariano Cantero。それぞれ一人2役、3役。多彩振りには脱帽です。1stではファンの個性が一歩前に出ていた感がありますが、次第に3人の個性が互いに引き立て合うというか、今までに無い繊細な陰影が表れて来た気がします。アンドレスのサウンドメイクが良い方向付けになっています。コーラスハーモニーを効果的に用いたり、室内楽的というかシンフォニックなアプローチが明らかに出ています。

 1曲目は1st、2ndと印象的というかキャッチーというか、ポップな香りがしましたが、続けて聞くと3rdの1曲目「Paloma」では、あれれ、地味?と感じるかもしれません。が、このアルバムを実に象徴する繊細な響きをまとったファンの曲で幕開けです。アルバムタイトル曲の4.「Ventanas」(窓)はJosé Flamenco作。静かに始まりシンプルで美しいメロディーが繰り返しながら次第に小さな頂きに達し、アルバム後半に広がる美的世界を暗示しているようです。7.「Distancia」はアンドレスのとても美しいメロディーのインスト曲。室内楽的アンサンブルが美しい。Puente Celesteのギター&ボーカルでファンとも共作アルバムを発表している朋友、Edgardo Cardozoの7.「Chiquita」の美しさは一つの極みです。なにげに5/4拍子ですが。Manuel CastillaとRolando Valladaresによる9.「Cansión de las cantinas」、ゲストのLiliana Herreroの素晴らしい存在感のボーカルにアカ・セカ・トリオのバックコーラス+ボンボというシンプルな美しさに引込まれます。11.「Solitario」はファン作、切々と歌いあげるファンを完璧に支えるアンドレスのピアノと、絶妙な色彩感を放つマリアーノのパーカッション。美しい。そして最後に更に美しいアンドレスの小品、12.「Casa」。ゲストとして、アンドレスの奥さん、ブラジル人のTatiana Parraの透明感溢れるヴォイス。アルバム後半はアンドレスの個性が十二分に発揮されていると言っていいでしょう。アカ・セカ・トリオの新境地。決して派手ではないですが、とにかく美しい音が詰まった傑作ですね。聞けば聞くほど耳を惹き付ける。同時発売されたCD+DVDの2枚組版では2006~2008年のライヴ映像がDVDに収録されているとのこと。丁度、2ndアルバムの録音直後か。もし、入手できるなら絶対CD+DVD版がお奨めでしょう。僕も欲しい!

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