Carlos Aguirre

Carlos Aguirre「Caminos」(2006年)
 アルゼンチン北西部の大都市、サン・ミゲル・デ・トゥクマンのサン・マルチン劇場で2006/1/16-17に録音されたとのこと。サン・ミゲル・デ・トゥクマンは、かのメルセデス・ソーサの出身地だそうです。caminoは”道”(道程・手段)。13曲中8曲がアギーレ作品で、最初から7曲、[1]パンパ、[2]途中のとある村、[3]叙情的な小曲、[4]一陣の風、[5]Vuls a Lais(意味不明)、[6]カンドンベの街、[7]雄鶏」という具合にとても描写的なアギーレ作品が続いてアルバム全体を印象づけています。[1][4][6]のchacareraやcandombeのようなリズミックなフォルクローレの曲で爽快かつ軽妙に舞い踊り、合間の[2][3][5][7]では対照的に内省的で印象派的なとても深遠な和声とメロディーが心を静めます。メルセデス・ソーサも歌っている[11]不滅のサンバは、サンバのリズムを効果的に使いドラマティックに歌い上げていてソーサへの敬愛の念が感じられます。アギーレ作の[12]灰色のミロンガは、以前Sinesiのところで紹介したContramareaと同じ快速ミロンガです。日本ではミロンガというとピアソラの「天使のミロンガ」や「忘却」のようなスローでマイナー調のイメージがありますが、本場は必ずしもそんなことはないようです。「灰色のミロンガ」はTatiana ParraとAca Seca Trioのピアノで有名なAndres Beeuwsaertとの2011年のデュオアルバム「Aqui」での演奏が素晴らしく息があって軽快で好きです。2012年5月に草月ホールで聞いたアギーレの演奏は躍動感があって素晴らしかったです。アルバムの最後[13]海のそばの子守唄、はアルバム中、最長の6分あまりのとても静かな美しい曲で消え入るように幕を閉じます。充実のライヴステージを観ているような素晴らしいアルバムです。

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