Guillermo Rizzotto

Sólo guitarra(2006年、2012年日本版再販)

日本版の解説によるとギジェルモ・リソットは1980年アルゼンチン・サンタフェ州・ロサリオ出身で、このアルバムを発表後、スペイン・バルセロナに移住、現在バルセロナを拠点に、ベルギー、フランス、ルクセンブルク、アルゼンチンなどで活躍する、作編曲家、プロデューサ、ギタリストだそうだ。ぼくはこのアルバムを2006年のアルゼンチン版ではなく、2012年にリイシューされた日本版で知った。全曲リソットによるオリジナル曲とのこと。ライナーノーツによると、2. 5. 6. 8. 11. 12.(フォルクローレの様式にちなんだタイトルが多いですね)は伝統音楽に対するリソット流の解釈とのこと。確かに収録中、出色の演奏だと頷けます。特に5.のHuaynoから広大な大地を感じさせるところや、8.のZambaの心地よい揺らぎ、繊細な響きが素晴らしいです。ほかの演奏も負けず劣らずで素晴らしく、1.の牧歌的な曲や、複雑な人生を歩んだメキシコの画家フリーダ・カーロに捧げられた9.の複雑で神経質で今にも壊れてしまいそうなガラスのような響きが印象的です。発売当初(2005)には収録されていないボーナストラックがこの再発版には納められており、これは2011年夏のバルセロナでのライヴ録音とのこと。ライヴとは思えない、繊細で深い響き、アルバムのラストを引き締めています。個人的にはこの「Naturaleza en tu vientre」(どういう意味なんでしょう?直訳すると「あなたのお腹の中の自然」ん?~中なる世界って感じでしょうか)が最もこのアルバムを象徴し、次のアルバムとの橋渡しにもなる音の世界に感じます。2013年5~6月に初来日し、全国ツアーを行っています。なんとその情報に気付いたのが確か、ツアー終盤か直後くらい。ショックでした。このアルバムは何度聞いても飽きない。複雑な状況を忘れ一人にしてくれる。心静かに自分と向き合えるような気がします。このアルバムに寄せているファン・ファルーの言葉(訳)にもありますが、「人生の一部として聞き続けるだろう」

1. Y se escucha el río

2. Carnavalito

3. Pieza nº 2

4. La Vida

5. Huayno solo

6. Trayendo algo nuevo al alma

7. Río solo

8. Zamba sola

9. Frida

10. Permaneces en mí

11. Chaya sola

12. Tonada final

13. Naturaleza en tu vientre (bonus track)

El sentido del paisaje(2013)

アルバムタイトルは日本語で「風景画の意味」とか「情景の解釈」といった印象的、抽象的なものを表します。中ジャケットに本人の言葉がありますが、2006年発表の「Sólo guitarra」の続編とのこと。ジャケットの写真も前作と同じ空気感を伝えます。それもそのはずで前作と同じアルゼンチンの写真家ガブリエラ・ムッシオ女史によるもので、前作と同じときに撮影されたものです。前作ではDiego Contestíのギターをメインに、4曲でTakamine CP132SCを使っていましたが、今回は全曲Takamineで演奏しています。音の透明感、色彩感、ダイナミクス、歯切れ良さ、いずれも素晴らしい。演奏技術は勿論素晴らしいのだろうが、タカミネの響きも良いのだろうな… 全体の曲構成も前作のようにフォルクローレの様式のリソット的解釈がバランス良く配されています。1曲目の出だしの一音からもう釘付けになってしまいました。リソット・ワールド万歳!前作ではcarnavalitoやhuayño、zambaが特徴的でしたが、今作では3. 7. 12.のgatoや11.のcuecaの音の粒立ちの良さ、ダイナミクスレンジの広さに魅了されます。4.や6.の叙情的なメロディーの歌わせ方が印象的です。9.はウルグアイの亡きポップス歌手の大御所に捧げられています。メロディアスというより表情豊かなバリエーションに富んだ分散コードの展開が素晴らしいです。10曲目の「Naturaleza en tu viento」は前作日本版(2012)ではボーナストラックとしてライヴ演奏が最後に収録されていました。今回のアルバムではバルセロナのスタジオ録音だそうです。微妙に色彩感が違って感じられるのが興味深いです。

1. El agua gue manda

2. Triunfo del corazón

3. Gato de agua

4. Te veré en las piedras

5. L’imaginaire

6. Intro Yaraví / Criollita mi alma

7. El gato sin cabeza

8. Milonga de la espera (en vivo)

9. A Eduardo Mateo

10. Naturaleza en tu vientre

11. Cueca de la libertad

12. Gato por liebre

13. Cuando volvamos a vernos (bonus track)

アルバム中ジャケットには僕の大好きなギタリスト/作曲家のCarlos Moscardiniの手放しの賛辞が綴られています。

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