Valéria Lobão/NOEL ROSA, PRETO E BRANCO(2015)


ヴァレリア・ロバァオン、キャリア20年以上のベテランにして2ndアルバム「ノエル・ホーザ、黒と白」。享年27才、若くしてなくなったサンビスタでMPBの先駆者ノエル・ホーザの作品集です。にもかかわらずなんと伴奏はピアノのみ。アルバムタイトルの黒と白はピアノの鍵盤のこと。それだけでも意外で興味深いのに、その上収録22曲をそれぞれ21名のピアニスト(1人だけ2曲収録)で伴奏していて、ピアノや録音環境は全く同じという実験的とも言えるとてもそそられる企画です。何しろ21名のピアニスト、ノエル・ホーザの22曲の紹介はとてもムリ、詳しくは「Latina」誌5月号に特集記事があるので是非参照しながら聞いてみて欲しい。ヴァレリアの節回しだけでサンバが聞こえて来るからピアノが何とも自由に伴奏する。もしピアノだけ取り出して聞いたらとてもサンバが流れていると思わないかもしれない。ときにとてもクラシカルに、ときにジャジーに、ときにラテン・フレーバを効かせて、そのバランスがどれも絶妙で、アイデアも十人十色(十人どころではない!)のアプローチを楽しめるので、ピアニストでなくても伴奏の妙を聞き逃せないでしょう。ピアノばかり褒めましたが、ヴァレリアの歌も自由に動きまくるピアノに動じない安定した音程と澄んでいて暖かい声に適度な主張があって、とにかく素晴らしいピアノとのデュオを聞かせてくれます。是非、アルバムを聴いてみて下さい。

 

ちなみにヴァレリアの1stアルバムは2011発表の「chamada」。こちらは「Noel Rosa, Preto e Branco」とは対照的にビックバンドを従えて繊細で複雑な響きを追求した作品。曲は随分違うがまるでギル・エバンス・オーケストラの様、と言うと過ぎるだろうか。AmazonでMP3アルバムを購入できるので入手は容易です。こちらもお奨めです。

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