Martín Neri「matriz del agua」(2015年)

大洋レコードのアルバム紹介によると、マルティン・ネリはアルゼンチン、パラナ川中流のロサリオ出身のシンガー・ソング・ライターとのこと。まさに川沿いの音楽の中心といえます。アルバムジャケット開くと短い文章があります。「漁師のマヌエル、彼の伴侶のエルバ、やっと6歳になる娘のロシオ、この家族はパラナ川が無数に分かれた先の一つ、ミロンガの河口に20年住んでいる。その間に起こった様々な出来事を物語る10の歌」がこのアルバムに収められています。ジャケットは川辺に浮かぶ小舟でしょうか。シンプルな線画と、アルバムに詰められた音楽とから物語の想像が膨らみます。

  1. La manãnaではCarlos Aguirreのアコーディオンが「朝」の柔らかの日差し、穏やかな一日の始まりを表すかのようです。
  2. El isleño、この島はパラナ川に浮かぶ中州のような島でしょうか?見渡す限りの川に囲まれた島民の悲哀を表すかのようなもの悲しいネリの歌声とアギーレのフルートの調べ。
  3. Elba「エルバ・・・朝の静寂の水色、水の様子が膨らむ、口ずさむような柔らかな流れ・・・」川辺の朝、家族の一日が始まる。つい一緒に口ずさみたくなります。
  4. Elegia de la tormenta「嵐の挽歌」、冒頭、どこからか雷鳴が聞こえてくる。「汗を染めた黒色が、ドン・マヌエルの表札のかかった小屋のある木々の夕暮れを消す・・・」なんとも孤独でやるせない感じです。
  5. Matriz del agua、このアルバムのタイトル曲。「水のマトリックス」水の流れとでも訳すのでしょうか?アギーレのピアノに乗せてネリが切々と歌う。
  6. La espantamuerte「追い払われた死神」、不思議な、怪しげなチャカレラ。
  7. Domingo「日曜日」、イントロのギターとJulio Ramirezのアコーディオンがほのぼのとした様子を伝える。水がはじけるような擬音、弦が重なり淡々とメロディーをつなぐ。またアコーディオンとハミング。ある日曜の様子。歌はお休み。
  8. Ausencia en las redes「網の中で放心」?なんとなく出口のない悶々とした雰囲気、ネリの歌声が切なくさせる。
  9. Despierta「目覚めている」ネリの弾き語り。「目覚めている、私の孤独の小屋、とてつもない量の私の嘆きのすべてのそばに・・・」歌詞は重たそうだが、素朴で牧歌的。川辺を散歩しながら口ずさむのが似合いそう。いいなあ、この雰囲気。
  10. Río dejame「デヤメ川」緩やかな川の流れを連想させる。ネリの弾き語りに、途中からJuan Quinteroのアレンジによる弦楽四重奏が重なってくる。

 

アギーレ、フェルナンド・シルヴァ、クラウディオ・ボルサニやフアン・キンテーロといったShagrada Medraレーベルの中心人物が多数関わり、いずれもシンプルなアレンジでネリの素朴な歌声を引き立てます。ネリの歌声にはほんとに引き込まれます。素晴らしいアルバムです。

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